N値・E値・V値・VT値

値幅計算ができれば残高が増える

値幅計算ができることで、確実に残高は以前より増えていきます。

なぜなら、決済ポイントに迷いがなくなるからです。

『まだはもう!もうはまだ!』

という相場の格言があります。

上手い表現ですよね。

含み益が増えて、意気揚々と油断しているようであれば、そろそろ決済しなさい。

反対に、ポジションを決済したいと思ったら、まだそのポジションは保持した方がよい。

そのような教えです。

しかし、「言うは易し行うは難し」

それくらい、決済タイミングで、多くのトレーダーが迷いを感じながら相場に向かっています。

これから解説する値幅計算は、上級トレーダーが必ず意識している決済タイミングです。

エントリーには、ルールがあります。

エントリーにルールがあるように、決済にもルールを設けましょう。

そのルールこそが『値幅計算|N値・E値・V値・VT値』です。

値幅計算一覧

まずは、値幅計算とはどのようなものか、ビジュアル的に確認しておきましょう!

以下に、値幅計算の一覧をまとめています。

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画像だけで、値幅計算がどのようなものか、ある程度理解して頂けたのではないでしょうか。

次の項目より、ひとつずつ詳しく解説していきますね。

トレンドフォローで利用できるN値計算

値幅で最もポピュラーな計算方法が「N値計算」です。

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N値とは
N値とは、起点からのスイングと、調整後のスイングが、同じ値幅で動くと予測する分析方法です。

押し目買い・戻り売りをしているのであれば、必ず知って起きたい理論になります。

世界中の8割がトレンドフォローと言われているだけあって、 N値理論はかなり反応(効果的)します。

また、N値理論という名称ではなく、直接『AB=CD』という名称で、その手法が存在するほどです。

N値の計算方法と手順

N値の計算方法は次のような手順になります。

STEP①|初期のスイングの値幅を計算

上昇トレンドの場合はB−Aで計算することができます。

STEP②|押し目(戻り目)からB−Aと同じ値幅を予測する

つまり、押し目買いの後は

B−A = D−C

この値幅で相場が動くと予測します。

一瞬でN値をチャートに表示する方法

言葉で説明すると、面倒くさい作業のように思いますが、実は、一瞬でN値を分析することができます。

その分析ツールが 『フィボナッチエクスパンション』です。

実際に、チャートで確認してみましょう。

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これが、フィボナッチエクスパンションです。

フィボナッチエクスパンションの100%が『N値100%』です。

フィボナッチエクスパンションの引き方や使い方については、
【フィボナッチエクスパンションの使い方!上級者の引き方と数値設定】
で分かり易く解説しています。

フィボナッチを使った分析をされていない方でも、値幅を測るために利用するべきツールがフィボナッチエクスパンションです。

ブレイクとレンジの値幅はE値計算

「N値計算」と同じくらいポピュラーな計算方法が「E値計算」です

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E値とは
E値とは、起点からのスイング(または、持ち合いの値幅)と、ブレイク後の値幅が、同じ値幅で動くと予測する分析方法です。

ブレイク手法を採用しているのであれば、必ず知って起きたい理論になります。
また、 レンジ後の値動きや、ダブルボトムやボックスなどのチャートパターンの値動きも、E値が目安になります。

つまり、相場の基本的な値幅計算になるので、こちらも絶対に知っておかなければいけない計算方法になります。

E値の計算方法と手順(レンジ相場)

E値は、レンジ相場やチャートパターンのブレイクで特に意識されます。

ですので、ここでは、レンジ相場での手順を解説していきます。

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E値の計算方法は次のような手順になります。

STEP①|レンジの値幅を計算

まずは、レンジの値幅を計算しましょう。

[レンジの値幅] = B−A(または、D−C)

簡単ですね。

STEP②|ブレイクポイントからB−A(D−C)と同じ値幅を予測する

つまり、ブレイク後は

B−A(D−C)= E−D

この値幅で相場が動くと予測します。

一瞬でE値をチャートに表示する方法

E値も言葉で説明すると、面倒くさい作業のように思いますね。

大丈夫です。

E値も、一瞬で分析することができます。

その分析ツールが『フィボナッチエクステンション』です。

補足
フィボナッチエクスパンションではありません。

 

『フィボナッチエクステンション』

フィボナッチエクステンションは、フィボナッチリトレースメントの延長にあります。

実際に、チャートで確認してみましょう

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フィボナッチエクステンションの200%が『ブレイク後のE値100%』です。

フィボナッチエクステンションの引き方や使い方については、
【超便利!フィボナッチエクステンションの基本から応用まで完全マスター】
で分かり易く解説しています。

フィボナッチエクステンションは様々な場面で利用できる便利ツールです。

ですので、フィボナッチを利用した分析をされていない方でも、利用価値があるツールです。

ブレイクで意識されるV値計算

次にブレイク後に意識されるV値計算を解説します。

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V値とは
V値とは、調整の値幅と、ブレイク後の値幅が、同じ値幅で動くと予測する分析方法です。

V値計算は、特に、ブレイク後に意識される決済ポイントです。

V値の計算方法と手順

V値の計算方法は次のような手順になります。

STEP①|押し目(戻り目)の値幅を計算

上昇トレンドの場合はB−Cで計算することができます。

STEP②|ブレイクポイントDからB−Cと同じ値幅を予測する

つまり、ブレイク後は

B−C = E−D

この値幅で相場が動くと予測します。

一瞬でV値をチャートに表示する方法

V値も言葉で説明すると、面倒くさい作業のように思いますね。

もちろん、V値も、一瞬で分析することができます。

E値と同じように『フィボナッチエクステンション』を利用することで、簡単にV値計算をチャートに表示することができます。

実際に、チャートで確認してみましょう。

f:id:Microblogger:20191110095102j:plainフィボナッチエクステンションの200%が、ブレイク後の『V値100%』になります。

少しマニアックなVT値計算

最後に、あまりなじみのないVT値計算について解説しておきます。

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VT値の計算方法と手順

VT値の計算方法は次のような手順になります。

STEP①|起点と押し目(戻り目)の値幅を計算

上昇トレンドの場合はD−Aで計算することができます。

STEP②|押し目(戻り目)からD−Aと同じ値幅を予測する

つまり、調整後は

D−A = E−D

この値幅で相場が動くと予測します。

N値・E値・V値・VT値の値幅計算の優先順位

さて、ここまで値幅計算の解説をされると、どの値幅計算を採用すればいいのか分からなくなりますよね。

ですので、ここで、参考程度に値幅計算の優先順位をあげておきます。

押し目買い・戻り売りの場合 N値計算
レンジ・チャートパターントレードの場合 E値計算
トレンド中のブレイクの場合 V値計算

上記のように、ケースバイケースで値幅計算を活用し、適切な決済ポイントを分析しましょう!

N値・E値・V値・VT値の値幅計算を効果的に活用する方法

最後に、今まで解説をしてきた値幅計算を効果的に活用する方法を解説します。

それは・・・

『サポート・レジスタンス』

です。

どちらが優先とかではなく、総合的に考えていくことが大切です。

目標値より手前にサポレジがある場合

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ここでは、N値計算を例に考えます。

目標値Dより手前に強いレジスタンスがあれば、そこで第一決済でポジションを一部決済します。

その後、目標値Dまで価格が達したら全決済する。

そうすることで、確実に利益を確保することができます。

目標値より先にサポレジがある場合

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目標値Dより先に強いレジスタンスがあれば、価格はそこを目指している可能性があります。

ですので、N値計算の目標値で第一決済でポジションを一部決済します。

その後、レジスタンスまで価格が達したら全決済する。

そうすることで、利益を伸ばすことができます。

まとめ

値幅計算や値幅の目標に関しては、あまり解説されていません。

しかし、上級トレーダーは空気を吸うように意識しています。

エントリールールがあるように、決済にもルールを設けないと必ず迷います。

ですので、この記事を参考にあなたの決済ルールを完成させてください。

思った以上に成績にプラスの影響があるはずです!