ロールリバーサルとは?
ロールリバーサルとは?
ロールリバーサルとは「反発ラインであるレジスタンスラインがサポートラインに転換すること言います」
レジスタンスラインやサポートラインが分からない方はこちらです。
「レジスタンスラインとサポートライン」
レジスタンスラインとは、高値に対する反発ラインで、このポイントに達したときに、下向きの力が加えられチャートはこのラインで反発します。
対してサポートラインとは、安値に対する反発ラインでチャートがこのポイント達したとき、 上向きの力が加えられてチャートはこのラインで反射し上昇します
つまり、本来レジスタンスラインの役目をもっていたラインをチャートが抜けることによって、そのレジスタンスラインは安値の反発ラインであるサポートラインに変化するのです。
その為、1度形成されたレジスタンスラインとサポートラインは、その役割を担うのではなく、相場の動き方によって役割が変化していくのです
ロールリバーサルの見つけ方
・まずが自分でレジスタンスラインとサポートラインをチャートに引いておく必要があります。
・引き終わったら、チャートに動き方と2つのラインに注目します。
チャートがどちらかのラインを大きく超えた際、ロールリバーサルが発生したと判定できます。
・チャートがレジスタンスラインを大きく超えた場合、レジスタンスラインはサポートラインとなります。
・チャートがサポートラインを大きく超えた場合、サポートラインはレジスタンスラインになります!
相場は常に変化しますし、それに伴って役割も変動してきますので、チャートの動きとラインの位置関係によく注意して取引する必要があります。
ロールリバーサルを取引で活用する方法
1.1つ目は、レジスタンスライン及びサポートラインを抜けた後に、逆向きにチャートが進むことを利用して逆張りを用いる方法です。
2.2つのラインを抜けた後、チャートは抜けた方向とは逆向きに一時的に動きます。
3.この1,2を利用して逆張りを適応させエントリーします。
1.2つ目は、2つのラインを抜けた後に起こる一時的な反動が生じた後で、トレンドが発生することを利用した方法です
2.2つのラインを抜けた後に一時的な反動が生じます。
これが起こった後で、チャートは抜けた方向へのトレンドが発生します。
つまり、レジスタンスラインを抜けた場合は上昇トレンド、サポートラインを抜けたら下降トレンドが発生します。
3.この1.2を利用してトレンドに沿った順張りを適応させエントリーします。
まとめ
ロールリバーサルまとめ
ロールリバーサルとは、レジスタンスラインおよびサポートラインをチャートが抜けりことによって、2つのラインの役割が変化することです。
つまり、レジスタンスラインを抜けた場合は、レジスタンスラインはサポートラインの役割を担い、
サポートラインを抜けた場合はレジスタンスラインの役割を担います。
ロールリバーサルの活用まとめ
「抜けた後に発生する反動に沿って逆張りを適応させる」
「反動が生じた後に起こるトレンド相場に沿って順張りを適応させる」
の2つです。
周期・サイクル
サイクル分析とは
景気や相場の周期、サイクルを研究する学者やアナリストは過去から現在に至るまで多数存在します。
サイクル分析は相場の周期から底値などのタイミングを予想する手法で、相場の周期を探る分析手法(一目均衡表の時間論、ギャン理論・メリマンサイクル・相場のフーリエ解析など)の基本になります。
ただ、個人的には相場のサイクル(周期)を探る手法についてはここでお伝えする内容だけ理解していれば、実務的(売買をおこなったり分析をする上では)には十分だと思っています。
ちなみに、移動平均線やトレンドライン分析、RSIや出来高分析といったチャート分析が相場の方向性や価格水準、相場の勢いなどから売買ポイントを探るのに対し、サイクル分析は時間自体を重視しているので、「いつ安値をつけそうなのか」といった文字どおりタイミングを探る手法となります。
ここではまずはじめにサイクル(周期)について触れ、サイクル分析について解説致します。
サイクルとは
サイクル(周期)とは、一定の間隔で同じことが繰り返される事象の期間になります。
例
自然現象
惑星や衛星(地球、月など)の公転や自転
地球の公転(1年)、地球の自転(1日)
月の公転と自転(27.23日)
太陽活動など
太陽活動周期(約11年)
イベント
米大統領選挙(4年)
日本の参議院選挙(参議院選3年に1度)
オリンピック(4年)
サッカーのワールドカップ(4年)
景気のサイクル
株式相場も為替相場も各国の景気に左右されます。ここでは景気にサイクルが見られるとする景気循環理論について確認しておきましょう。
景気循環については、下の図のように景気を2つの局面で捉える方法と4つの局面で捉える方法があります。
【景気循環 2局面での捉え方】
【景気循環 4局面での捉え方】
ここで重要なのは、特に景気の谷になります。景気循環を2局面で捉える方法も4局面で捉える方法もどちらを見ていただいてもわかるとおり、景気循環の始まりと終わりは谷から谷までになっています。
周期を見る上で重要な事は、サイクルの谷から谷ということです。
「谷から谷までがサイクル」と言う考え方は後でも出てきますので、しっかりと覚えておきましょう!
なお、経済学的には以下のような景気のサイクルがあるとされています。
・キチン・サイクル
(在庫循環 約40カ月≒約4年)
・ジュグラー・サイクル
(設備投資循環 10年前後)
・グズネッツ・サイクル
(建設循環・20年前後)
・コンドラチェフ・サイクル
(技術革新・戦争など 50年程度)
こういった経済的なサイクルも株式や為替相場に影響している可能性があるということです。
相場のサイクル
景気のサイクルにコンドラチェフ・サイクルのように長期のサイクルがあり、その中にキチン・サイクルのような小さなサイクルがあるように、相場のサイクルも長期のサイクルの中に短期のサイクルがあると考えます。
また、相場でサイクルを見る場合にも、景気のサイクルと同じように相場の安値から安値までを確認します。
下の図は、相場の動きと相場のサイクルのイメージを示したものです。
【相場のサイクルのイメージ図】
実は「相場の動き」を示した黒い線は、単に「赤い大きなサイクル」と「青い中くらいのサイクル」と「緑色の小さいサイクル」を合成したものなんです。
実際の相場はこのような3つの単純なサイクルと言うわけではありませんが、大小様々なサイクルの合成により相場が形成されているという考え方がサイクル分析の基本になります。
相場のサイクルの調べ方
サイクル分析は自分で相場のサイクルを確認するところから始まります。
その上で重要なことは次の2点です。
・長期のサイクルから順に確認する
月足チャートで長期のサイクルを、週足チャートで中期のサイクルを、日足チャートで短期のサイクルをといった流れで確認していきます。
・安値から安値までを利用してサイクルを調べる
サイクルは安値から安値までを1サイクルとして考えます。
【相場のサイクル】
下のチャートは米ドル/円の月足チャートになります。
【米ドル/円 月足チャート】
赤い線で高値安値を大雑把に結んでいますが、安値から安値までの期間を見ると16.5年(198カ月)周期で動いていることがわかります。
◎簡単に周期を確認する方法
長い期間のチャートのサイクルを1つ1つ、その周期がどのくらいかチェックするのは時間がかかります。
そこで、ここではざっくりと相場の周期を確認する方法をご紹介します。(それでもちょっと手間がかかるんです。)
【手順】
1.チャートに移動平均線を表示する。
2.移動平均線の波の数を、上昇下落を1サイクルとして数える
3.チャートの本数を移動平均線の波の数で割る
≪具体例≫
例えば、下の米ドル/円の週足チャートです。
全部で2404週分のチャートになります。ここに移動平均線を表示します。
ここでは、波の数を数えやすくするために52週移動平均線と26週移動平均線をチャート上ではなく、チャートの下に表示しています。
(数えてみると、、、)52週移動平均線は10個、26週移動平均線は44個の波を確認できました。
したがって、計算式は次のとおりです。
2404÷10個=240週
2404÷44個=55週
米ドル/円には240週のサイクルと55週のサイクルがありそうだということがわかります。
移動平均線の波は1つずつ数えなければいけませんが、安値から安値までの期間をいちいち調べたり、エクセルの関数などを利用したりするよりも、おそらくこの方法が一番手っ取り早いです
サイクル分析の方法
サイクルの調べ方がわかったところで、それを相場分析に利用できなければ意味がありません。
でも、相場のサイクルがわかれば、普通に次の底値のタイミングが推測できそうだということがわかりますよね。
ここでは相場の周期を利用した具体的なサイクル分析の方法をお伝えいたします。
底値のタイミングを推測する
相場のサイクルがわかれば、安値を起点に、次の底値がどこかイメージできますよね?
例えばある相場が6週間のサイクルだったとすれば、安値を付けた週から6週間後が次の底値のタイミングだとイメージできます。
でも、実際の相場では、ぴったり6週間後かと言えばそうではありません。
サイクル分析では、相場にサイクルが生じる可能性は、80%程度だと考えられています。
また、そのサイクルについても相場の底値を「点」で予測するのではなく、周期±17%(6分の1)の「期間」で捉えるという考え方をします。
ちなみに、相場が底値をつけると予想される「期間」のことを「サイクル・ウィンドウ」とか「サイクル・オーブ」と言います。
例えば、先程の6週のサイクルの相場では『この相場は安値を付けた5週から7週後に転換する可能性があり、その可能性は80%程度だ』と考えます。
上でお伝えした米ドル/円週足チャートで、相場のサイクルが55週と言うことであれば、次の安値のタイミングは、底値を付けた2016年6月20日の週から、55週間後の2017年7月3日の週を中心に前後9週間(±17%)になりやすいといった分析をします。(記事の執筆時点2017年1月18日現在)
【米ドル/円 週足チャート 55週のサイクルから見るサイクルボトム(底値)のタイミング】
サイクルで相場の方向性を確認する
サイクル分析を利用して今の相場の方向性を確認できます。
確認の仕方は簡単です。相場の底値と底値の価格水準と、その間にある高値がどこにあるのかを見るだけです。
上昇トレンド
【上昇トレンド】
下のイメージのように安値Aよりも安値Cの価格が高く、その間にある高値Bが安値Aと安値Cの中心よりも右側にある状態は上昇トレンドと考えます。
この高値Bが中心よりも右側にある状況を、ライトハンド・トランスレーションと言います。
下降トレンド
【下降トレンド】
下のイメージのように安値Aよりも安値Cの価格が低く、その間にある高値Bが安値Aと安値Cの中心よりも左側にある状態は下降トレンドと考えます。
この高値Bが中心よりも左側にある状況を、レフトハンド・トランスレーションと言います。
.まとめ
今回、ご紹介したサイクル分析は次の安値のタイミングをイメージでき、更に今の相場のトレンドも把握できるスグレものです。
ただ、冒頭でもお伝えしたとおり、サイクル分析単体で利用するのではなく、他の分析手法と併用して利用していただくのが良いと思います。
エリオットとプライスアクション
出来高と上放れの関係
- 「平行なチャネル」「ダイアゴナルトライアングル」において、
- 出来高が減少する場合:第5波の終点が上限ラインに、①接するか、②届かないか、を示唆している。
- 出来高が増加する場合:上側ラインを上抜くシグナルである。⇒「上放れ(Thwor-over)」
まずこのガイドラインは、「平行なチャネルライン」と「ダイアゴナル」、この2つに限られるということです。理屈としては当たり前のようなことを言っているため、1本のTL(トレンドライン)やトライアングル修正波など、ラインであればどんなものにでも当てはまるような気はするのですが、一応は気にしておくべきでしょう。
それと出来高が減少する場合ですが、届かない場合だけでなく、接する場合も含んでいます。増加のときだけ上抜ける、と覚えておくのが良いかもしれません。
上放れのポイント
5つのチェックポイント
- 上放れ地点の近くで、小さな段階の第4波が、上側ラインのすぐ下で横ばいの動きをしているとき。
- 先立つ第4波が下放れることもある。
- 第5波の副次的な第2波が下放れることもある。
- 下側のTL(トレンドライン)を割り込んだ株価がその直後に急反転する。
- 大量の出来高を伴う。
1はほぼ絶対条件といって良いと思います。逆に、横ばいの動きを経ずに上抜くのは、流れからいって不自然です。いきなりぶつかれば跳ね返されるはずで、だからこその支持線や抵抗線であって、パワーを溜め込んでおく必要があるでしょうから。
2と3は「こともある」ということなので、絶対条件ではないでしょう。4はほぼ絶対条件だと思います。絶対条件かそうでないかは私の解釈なのですが、ルールではなくてガイドラインですから、そもそもが絶対的なものではないのですが。
しかしこれだけのチェックポイントを提示してくれているのは、初心者の私としては非常に有難いです。
小さな段階の上放れの波を確認するのは難しい
「より小さな段階のチャネルは、よく最後の第5波で上抜かれるので、大きな段階で上放れが起こったときに、それよりも小さな段階の上放れの波を確認するのは難しいと警告している。」
小さな段階ではよく上抜かれるということですが、でもそれを確認するのは難しい・・・。今一つ理解できないのですが、第5波以外の波は、外見上はラインから逸脱することはない、ということなのでしょうか。
ラインの引き直し
ここでふと疑問を抱きました。前回の学習項目「チャネリング」ですが、そこでは、チャネルラインは最新の状態を保っておくために、第4波の終点がずれたら、2-4のラインは引き直すと覚えていました。ところが、これは第4波の終点がラインに届かない場合限定なのですね。
今回の「上放れ」のように、第4波の終点が下放れてしまった場合のことは何も言ってませんでした。上図のように下放れが起きた場合には、引き直さずそのままにしておくということになるのでしょうか。引き直してしまったら、1-3のラインもそれと平行にずれますから、第5波の上放れは絶対起こるということになってしまうような・・・。
とりあえず今のところは、2-4のラインを引き直すのは、第4波の終点があくまでも届かない場合限定としておきます。
衝撃波のチャネリングの手順
- 必要なのは3つの基準点(第1波、第2波、第3波の各終点)。
- 第3波の終了時点で、1と3を結び、それと平行な線を2から引く。
- 下側のチャネルラインが、次の第4波の予想される下限となる。
トライアングルの場合には最低でも4点が必要でした。推進波とトライアングルでは出現する場面が違うので、比較するものではないと思いますが。
第3波がかなり延長する場合
多くの場合、当初の始点は、最終的なチャネルの基点ではなくなる。
この文言はちょっとよくわかりません。というのも、以下で第3波が異常に強い場合のことが書いてあるのですが、基点になるような・・・。そもそも第3波がかなり延長すれば、とてもラインなど引ける状態にはないと思うので、そういうときのことを言っているのでしょうか。
第4波がチャネルのラインに届かない地点で終了する場合
- 第5波の上限を予測するために、新たにチャネルを引き直す。
- 第2波と第4波の終点を結ぶ。
- 第3波の終点から延長した上側のラインが、次の第5波の予想される上限となる確率は非常に高い。
以上の説明は、第1波と第3波が通常の波の場合です。「ベース線」という言葉を使っているのですが、それを真似して使わせていただくと、「2-4のベース線」がとても大切だと思いました。
第3波がほぼ垂直に伸びるなど以上に強い場合
- かなり急こう配になる
- 第1波の頂点を通るベース線によるチャネルはかなり有効である。
恐らく上図で描いたようなことを言っているのだと思うのですが・・・。
トレンドの強弱というものは逐一変化すると思うので、まずは最新の2-4のベースを固定します。その上で、上側のラインの基点をどこに持っていくかですが、候補は第1波の終点と第3波の終点の2つしかありません。通常の波であれば、新しいほうの第3波が適切でしょう。
第3波が異常に強い場合には、直角に近い角度になってしまうでしょうから、それよりも弱いと思われる第5波の目標値としては適切ではないと思われます。残るのは第1波の終点しかありません。第3波が使えない以上、第1波に逆戻りする
。
ふと気になって、弱気相場の場合のも描いてみました。やはり2-4のベース線が重要です。それが引けたら、あとは第1波か第3波、どちらかを基点にするかだけです。第3波の状況次第ということになります。
書籍中は実際のチャート例が載っているのですが、それを真似て上図を描いてみました。
- 2-4ベース線を固定する。
- 第3波の強さ(角度など)を判定する。
- それによって、基点(第1波か第3波の終点)を決める。
- 第5波の終点を予想する。
以上のように覚えておくことにします。
潜在的な2本のTL(トレンドライン)を引く
そのチャネル内の波の「カウント」と「出来高」の特徴に注目し、波のカウントによって正当化される適切な行動をとることも有効である。
衝撃波については、TLを引くことによって分析がしやすくなることもあると思います。正しい波の動きが見えやすくなるというか。
すべての波の段階のトレンドが、ほぼ同時に出現する
ことを忘れてはならない。
プライマリー第5波&インターミーディエット第5波
この2つの段階の上側ラインに同時に達したときに終了する。
少し趣旨は違うかもしれませんが、恐らく上図のようなことを言っているのだと思います。衝撃波については、チャネルラインを引くのはもちろんのこと、波の段階も考慮しましょう。
三角持ち合い
1.三角持ち合いとは
三角持ち合いは、レンジ相場の中で、1本のトレンドラインと1本の水平ライン、または2本のトレンドラインによって形成される、三角形状の相場のことです。
下のチャートをご覧下さい。
三角持ち合いは、レンジ相場で見られる最も重要なパターンです。ただし、レンジ相場で通常見られるボックス相場と違って、三角持ち合いはラインが斜めです。
そのため、ラインの角度が毎回違うことや、ローソク足のヒゲを含めるのかなど、ラインを引く時に迷うかもしれません。意識していないと、簡単に見落としてしまいます。
しかし、他のトレーダーが見落としている時でも、あなたが三角持ち合いに気付くことができれば、とても有利です。三角持ち合いは、それぐらい有効なパターンなのです。
あなたが、これを使いこなせるようになるために、まずは三角持ち合いのパターンから説明していきます。
繰り返しになりますが、三角持ち合いは非常に重要なパターンなので、トレードで活かすためにぜひ参考にして下さい。最初は難しくても、毎日練習していれば、いずれ簡単に引けるようになります。
2.三角持ち合いの3つのパターン
三角持ち合いには、次の3つのパターンがあります。
三角持ち合いのパターン | ブレイクの方向 |
上昇トレンドライン + レジスタンスライン | 高確率で上 |
下降トレンドライン + サポートライン | 高確率で下 |
上昇トレンドライン + 下降トレンドライン | 分からない |
ちなみに、ブレイクの方向は、あくまでも一般的にこうなりやすいというものです。高確率で上や下にブレイクするわけではないので、勘違いしないようにして下さいね。
三角持ち合いの最大の利点は、パターンによって方向の違いはあるものの、高確率で相場がどちらにブレイクするのかが分かるということです。
このことを理解した上で、しっかりとチャート分析を行えば、非常に勝率の高いトレードができるようになります。
もちろん、あなたが予測した方向と反対にブレイクすることもありますが、その時は、予測が外れた理由を探すようにして下さい。トレード止め、戦略を立て直しましょう。
いずれにせよ、基本はどちらかにブレイクします。それぞれ、詳しく見ていきましょう。
2.1.上昇トレンドラインとレジスタンスライン
下のチャートをご覧下さい。
下側のラインは、上昇トレンドラインです。そして、上側のラインは、レジスタンスラインです。その2つのラインに色付けされた範囲が、三角持ち合いです。
レンジの幅が徐々に狭まって、ローソク足の行き場がなくなっています。最終的に完全に行き場をなくした時に、ブレイクが起こります。ちなみに、三角持ち合いが先ほどのような形の時は、上にブレイクすることが多くなります。
何度も言いますが、上にブレイクしやすいというだけで、次も必ず上にブレイクするわけではありません。持ち合いを発見したら、両方向へのブレイクを想定して下さい。
2.2.下降トレンドラインとサポートライン
次は、先ほどとは逆の三角形のパターンです。下のチャートをご覧下さい。
下降トレンドラインとサポートラインによって、三角持ち合いが形成されています。このパターンは、下にブレイクしやすいのが特徴です。
2.3.上昇トレンドラインと下降トレンドライン
最後に、上昇トレンドラインと下降トレンドラインによって形成される三角持ち合いです。
全ての三角持ち合いは、いずれ必ずブレイクします。
しかし、このパターンは、先ほどの2つと違い、どちらにブレイクするかが分かりません。そのため、どちらにブレイクするのかを正確に予測するために、他に根拠を探したり、根拠がない場合は様子見したりする姿勢が必要です。
3.三角持ち合いブレイクの時の実践的トレード戦略
次に、三角持ち合いのブレイクを利用した、具体的なトレード戦略を説明します。
三角持ち合いは、非常に有用なチャートパターンです。ここをしっかりと理解して実践していただければ、あなたは確かな手応えを得られるはずです。
さて、三角持ち合いのブレイクを活用したトレード戦略は、トレードスタイルによって違いがあります。下の表で分類しているので、ご確認下さい。
トレードルール | 当てはまるトレードスタイル |
きれいな形の三角持ち合いを狙う | 全トレードスタイルで共通 |
ブレイク後のダマシは考慮しない | スキャルピング |
ブレイク後は押し目/戻し目でポジションを持つ | デイトレード/スイングトレード |
それぞれ、詳しく見ていきます。
3.1.きれいなチャートで形成された三角持ち合いを狙う(全スタイル共通)
まず、3つのトレードスタイル全てに共通した鉄則は、きれいなチャートで形成された三角持ち合いを狙うことです。下のチャートの三角持ち合いをご覧下さい。
ブレイクするまで、レジスタンスラインと上昇トレンドラインで何度も反転していることが分かります。そして、ローソク足の上下動が徐々に狭くなっていき、いよいよ行き場を失って上にブレイクしています。
このように、きれいな三角持ち合いは、レンジ幅の中で2つのラインを時間をかけて三度四度と反転し、三角の先端まで進みます。
レンジ幅の中で何度も反発しているということは、それが長く大きく形成された、きれいな形の三角持ち合いであることを意味します。そのような三角持ち合いの局面では、大半のトレーダーが「もしこれをブレイクしたら大きいトレンドができる」と考えています。
大半のトレーダーが同じことを考えて行動する時、チャートは顕著なパターンを示します。
下のチャートをご覧下さい。
レンジ相場には、「レンジ相場(三角持ち合い)の値幅と時間でブレイクの大きさが決まる」という特徴があります
上のチャートのAやBの小さな三角持ち合いよりも、色付けした大きな三角持ち合いのほうが、はるかに多くのトレーダーに意識されます。
そして、大きな三角持ち合いのほうが、ブレイクの方向性や、ブレイク後のトレンドが大きさの判断は正確になります。そのような正確な判断ができる相場でトレードを行うことが、FXで成功するための鉄則です。
一方、一度二度しか反転していない、短く小さな三角持ち合いの小さなブレイクは、長く大きな三角持ち合いと比べて、チャートパターンの顕著さが劣ります。そのため、ブレイクしてもトレンドが出ないなど、勝率が落ちてメンタルが崩れていきます。
コツは、最初からきれいな形の三角持ち合いの時のみ、トレードすると決めておくことです。
3.2.ダマシは考慮しない(スキャルピング)
スキャルピングとは、ほんの数秒から数分という短期間で売買を繰り返し、小さな利幅を得るトレード手法です。ポジションの保有時間が極端に短く、すぐ利益確定することが前提です。
そのため、三角持ち合いのブレイク後に、その方向へトレンドが発生するのか、ダマシで反転してくるのかは、さほど影響はありません。仮に、ダマシで反転してきたとしても、既にポジションを決済した後なので問題ありません。
三角持ち合いのブレイクを利用したスキャルピングでよく見られる失敗は、まだブレイクしていない段階で、ブレイクを期待してポジションを持つことです。それではいけません。
しっかりと機能するラインを引いて、ブレイクのポイントを正確に判断し、そのポイントでポジションを持つことが重要です。スキャルピングをやる方は、この点を肝に命じて下さい
3.3.押し目または戻し目でポジションを持つ(デイ/スイング)
デイトレードやスイングトレードは、ポジションをより長く持ちます。そのため、ダマシを防ぐ必要があります。そこで、次のような判断をして下さい。
- 三角持ち合いをブレイクしてもすぐに飛び乗らない
- 上にブレイクした場合は押し目を待ってポジションを持つ
- 下にブレイクした場合は戻り目を待ってポジションを持つ
.三角持ち合いをブレイクしてもすぐにポジションを持ってはいけない
下のチャートをご覧下さい。
大きな三角持ち合いにご注目下さい。もし、大きな矢印の箇所でブレイクした時に飛び乗って買いポジションを持つと、あなたは、どうなるでしょうか?
相場は、その後上昇しましたが、もう一度ブレイクした価格帯(右側の小さな矢印)まで下がってきています。この時、含み益だったポジションは含み損に変わります。こうなると、あなたは、これがダマシであった可能性を考え、ポジションを決済したくなります。
しかし、決済後に、確かな上昇トレンドが出てしまい、それに乗ることができずに終わってしまいます。
このように、ブレイク後に、すぐに飛び乗るようなポジションの持ち方をしていると、その後はダマシの可能性に怯えながら、様子見することになります。押し目を作らずにそのまま上昇していった場合は、根こそぎ取れるでしょう。
しかし、押し目を作るのが相場の基本です。毎回押し目を作らないことを祈りながらポジションを取るのでは、トレーダーにとって最も重要なメンタルである平常心を失ってしまいます。そんな状態では勝ち続けることができません。
これよりも、もっと確実で利益を大きく伸ばせる方法は、上昇トレンドでは押し目、下降トレンドでは戻り目を待ってポジションを持つことです。トレード回数は減りますが、確度はかなり上がるので、おすすめです。
3.3.2.押し目/戻り目でポジションを持つ
これは言い換えると、三角持ち合いのブレイク後にトレンドのスイッチが入るポイントまで待つということです。そのポイントとは、上昇トレンドなら押し目、下降トレンドなら戻り目のことです(参照:『トレンド相場の3つのパターンと2つのルール』)。
上昇トレンドの場合を仮定して説明します。もう一度、先ほどのチャートを見ながらお読み下さい。
三角持ち合いをブレイクして、本当に上昇トレンドが発生するとしたら、ブレイクしたラインより下に価格が来ることはありません。
言い換えるなら、上昇トレンドなら、押し目で確実に反転するということです。そして、そこが、三角持ち合いのブレイク後の上昇トレンドの本当のスタート地点になります。
このような押し目は、非常に頻繁に出現するので、そこでポジションを持ちましょう。この見方ができるようになれば、上昇トレンドになった時、先ほどのチャートのように、非常に大きな利益が得ることができます。
このようなトレードこそが、FXの鉄則である損小利大のトレードです。
ちなみに、もし、押し目にならずにラインを下に突き抜けてしまったら、すぐに損切りすることを徹底して下さい。相場に何か突発的な出来事があった場合などは、下のチャートのように基本と別の動きをすることがあります。
少し見えにくいですが、上のチャートでは、Aの箇所で一瞬上にブレイクしています。その後、下落して水平ラインを下抜けた後、急激に下落しました。
このページでお伝えした、レンジ/三角持ち合い/ブレイクは、相場の中枢を担う働きをしています。安定したトレード戦略を立てるには、この3つを極めることが一番の近道です。
その上で、あなたのスタイルに合わせたやり方を実践すれば、高い確率でトレードで勝つことができます。
今まで理解が曖昧だった方は、この機会にしっかり理解して下さいね。そのために、何度も読み返して下さい。このページで説明したことは、全て相場の仕組みであり、日々同じような相場が繰り返されます。何度も経験していただくことで、心底から実感していただけると思います。
トレードは、勝つための努力を惜しまなければ、何かをきっかけに勝てるようになります。それが、レンジ/三角持ち合い/ブレイクの可能性もありますので、ぜひ意識しながらチャート分析をしてみて下さい。
各通貨の特徴と相関性
ドルの特徴
ドルは複数の国(例えばシンガポールなど)で使用されている通貨単位ですが、単にドルと言えば米国ドル(US Dollar)ですね。ドルは世界の機軸通貨であり、最も多くの国や地域で通用する通貨です。通貨コードはUSD。為替市場でも他の通貨に比べて圧倒的な取引量を誇り、通貨取引のほとんどにドルが絡んでいると言われます。ドル以外の通貨どうしの交換比率をクロスレートと言いますが、クロスレートはドルとの交換比率を介して決定されます。
為替相場は、基本的にドルを中心にして回っています。『ドルvsそれ以外の通貨』という構造が根底にあり、それゆえ、ドル以外の通貨は同じような動きを示すことがよくあります。例えば、欧州通貨やオセアニア通貨が連動した動きを示すのは、ユーロと豪ドルに直接の相関関係があるのではなく、ドルが買われてそれ以外の通貨が売られる(あるいはその逆)という現象のためなのです。
FRB
ドル相場は様々な要因で変動しますが、金利動向は最も重要な要因の一つです。金利操作は通常、中央銀行が担っていますが、米国の中央銀行にあたるのがFRB(The Federal Reserve Board)です。中央銀行と言えば、日本銀行(BOJ)とかイングランド銀行(BOE)とか、名称に国名や地域名を用いていますが、米国は例外的ですね。FRBの中心的な組織はFOMC(Federal Open Market Committee)で、政策金利であるFFレート(Federal Fund Rate)の誘導目標を決めたり、公開市場操作を行ったりします。年間で8回開催されます。
FFレートは短期から長期まで米国の金利体系全体に影響を及ぼす指標ですが、よりドル相場との相関性が高いと見られているのが米国債2年ものの利回り。2年ものは中期国債(Treasury Notes)の代表的銘柄で、ネットで検索すれば、チャートも探すことができます。FFレートや中期国債利回りの動向は、為替相場を読むうえで非常に重要なファクターであり、為替市場において最も注目される指標の一つです。
FRBが金融政策を決定するうえで特に重視していると見られているのが以下の指標です。これらが発表される日は、事前に通信社などが予想数値を発表し、市場参加者はその時を待ちます。予想数値は実際の発表までにかなりの程度織り込まれますが、予想とかい離していた場合は、相場価格が大きく動きます。為替においてはチャンスでもありますが、思いがけない反応を示すことも少なくありません。例え腕に自信があっても傍観が賢明です。
ドルは取引量で他の通貨を圧倒しており、FXの中心銘柄です。USD/JPYやEUR/USDのスプレッドは極限まで狭まっており、インターバンク市場と比べてもその差はごくわずかになっています。スキャルピングからバイ&ホールドまで、あらゆる売買方針に対応可能な通貨と言えます。
ユーロの特徴
ユーロ(Euro。通貨コード:EUR)は欧州統一通貨とも言われ、欧州連合(EU)に参加している28カ国のうち19カ国が法定通貨として採用しています。一方、欧州でもイギリスや北欧諸国は独自の通貨を維持しています。実際に通貨としての取引が開始されたのは1999年1月1日からです。まずは11カ国が参加して銀行間取引が始まり、その後順次、流通範囲が拡大してきました。今では、ドルに次いで取引高の多い通貨であり、FXの通貨ペアではEUR/USDのリクイディティーが最も高いといえます。ユーロはECB(欧州中央銀行)により発行・管理されています。
アンチ・ドル
ユーロの特徴は、なんと言っても『アンチ・ドル』の代表的通貨だということでしょう。為替市場は、ドルを中心に回っていると言っても過言ではありませんが、ドルに何か悪い要因があると、ユーロが買われるという現象がよく見られます。また、オセアニア通貨はユーロに追随した動きを示す傾向があります。世界各国の政府が保有する外貨準備は、以前はほとんどがドルでしたが、近年ではユーロの比率が高まっており、徐々にその存在感を高めています。また、為替市場ではユーロ/ドルの取引量が最も多く高い流動性があります。
ユーロ相場と金利
ユーロ圏の政策金利はECB(欧州中央銀行)が決定します。その決定の場である理事会は、ユーロを取引するうえで最も注目すべきイベントでしょう。下図はドイツと米国の2年もの金利の差とユーロドル相場を重ねたものです。赤い線が金利差(左軸)、青い線がユーロドル相場(右軸)ですが、両者の連動性が高いことが分かります。短期的に見ると、連動制は強まったり弱まったりしますが、長期的なトレンドは金利差に沿って形成されます。
ユーロ相場とファンダメンタルズ
ユーロ相場も、他の通貨と同様にファンダメンタルズの情勢に強い影響を受けます。しかしユーロ圏は広く、各国のファンダメンタルズもまちまちです。そんな中、参考にしたいのがユーロコイン指数です。速報性があり、ユーロ相場とも一定の相関性があります。また、ユーロ圏経済を代表するドイツの指標も重要。ドイツの景気やインフレの動向は、ユーロ相場を見るうえで欠かせません。特にIfo経済研究所が発表するIfo景気指数や、欧州経済研究センターが発表するZEW景気指数は注目したい指標1つです
FXとユーロ
ユーロはドルに次ぐ取引量を誇っていますので、EUR/USDはFXの中心銘柄です。スプレッドは極限まで狭まっており、インターバンク市場と比べてもその差はごくわずかになっています。特に欧米市場の時間帯である夜間にスキャルピングを行う場合は、第一の選択肢となるでしょう
ポンドの特徴
ポンド(Pound)は複数の国・地域で使用されいる通貨単位ですが、単にポンドと言えば英国のポンド(UK Pound)をさします。明確に区別するために英ポンドと呼ぶこともあります。通貨コードのGBPはGreat Britain Poundからとったもの。Great Britainはイングランド、スコットランド、ウェールズからなるイギリス本島のことです。ちなみに、ブリテン島に北アイルランドと周辺の島々等を含めたものがイギリスであり、国際名称は The United Kingdom(UK)。今でもスコットランドや北アイルランドではポンド以外の通貨も流通しており、まさに連合王国という感じです。
話しがややそれましたが、ポンドはスターリングというニックネームがあり、STGと略されることもあります。また、ポンド/ドルの組み合わせは特別にケーブルと呼ばれます。これは、海底ケーブルに由来したネーミングなのですが、為替ディーラー間の隠語のようなもので、あまり目にすることはありません。ポンドの特徴は以下とおりです
高金利
ポンドは、取引量の多い4大メジャー通貨の中では高金利であることが多く、主要通貨の中でもオセアニア通貨(豪ドル、ニュージーランドドル)に次ぐ位置を占めています。このため、円やスイスフランを資金調達通貨、ポンドを運用通貨としたキャリートレードがしばしば隆盛します。世界の金融市場が平和でリスク感応度が低下しているときは、キャリートレードがポンドの支援要因となり、市場が混乱してリスク感応度が高くなると、キャリートレードの解消が圧迫要因となります。
豪ドルの特徴
豪ドル(Australian dollar)はオーストラリア(豪州)の通貨で、オージー(Aussie)というニックネームがあります。通貨コードはAUD。メジャー通貨の一つですが、ドル、ユーロ、円、ポンドの4大通貨に比べれば取引高は少なく、スイスフランやカナダドルと同程度です。豪ドルの特徴は次のとおりです
資源国通貨
豪ドルは、資源国通貨とかコモディティー通貨と呼ばれることがあります。コモディティーは農産物、鉱物資源、エネルギー資源など加工度の低い物品を意味しますが、特にコモディティー通貨という言葉からは、鉱物資源やエネルギー資源がイメージされます。
実際、オーストラリアの輸出品目では常に鉄鉱石と石炭が2トップを占めています(2018年度では9年ぶりに石炭が1位)。このため、豪ドルはコモディティー価格の動向に影響を受けます。世界的に景気が良いと鉱物資源の価格が上がるので、豪ドルの上昇要因となります。豪ドルの他には、カナダドル(CAD)、ノルウェークローネ(NOK)、南アランド(ZAR)などもコモディティー通貨の側面を持っています。
アジアとの関係が深い
オーストラリアの貿易対手国は次のようになっています(2016年)。ひと昔前は日本が最大の貿易相手国でしたが、現在は中国がその座についています。このため、中国の景気は豪ドル相場に大きな影響を与えます。
- 輸出…(1)中国28.3%(2)日本11.7%(3)米国6.3%
- 輸入…(1)中国18.1%(2)米国12.7%(3)日本6.6%
他通貨との関係
豪ドルはニュージーランド(NZ)ドルと強い相関性をもっていますが、これはむしろ、NZドルが豪ドルに連動していると考えたほうが良いでしょう。オーストラリアとニュージーランドは同じオセアニア地域の国として経済のつながりも強いですから、両通貨の連動性が高いのもうなずけるところです。
豪ドルはユーロとも連動します。地域性や経済的な要因によるものではなく、アンチドルの通貨という側面で、両者に連動性が生まれるのだと考えられます。すなわち、ドルの対抗馬としてユーロがあり、豪ドルも同様の連想で似た動きをするわけです。
主要な経済指標
オーストラリア準備銀行が最大の政策目標としているのは物価の安定。このため、金融政策を決定するうえで最も重視する経済指標はCPI(消費者物価指数)と言われています。ただ、消費者物価指数は3ヶ月の1度しか公表されません。次に市場の注目度が高いのは雇用統計です。オーストラリアの雇用統計は月次で発表され、新規雇用者数や失業率が含まれます。特に失業率と政策金利は高い相関関係があると見られています。また、あまり聞きなれない名前かもしれませんが、交易条件指数も中長期的な豪ドル相場の趨勢と連動性を有しています。その他、PPI(生産者物価指数)や国内総生産にも注意が必要です。
ニュージーランドドルの特徴
ニュージーランドドル(New Zealand dollar)はその名のとおりニュージーランドの通貨で、キーウィ(Kiwi)という愛称があります。同国自体をキ-ウィと呼ぶこともあります。通貨コードはNZD。最大の特徴は、先進国通貨の中では相対的に金利水準が高いということでしょう。そのため、FXでも人気のある通貨です。ただ、先進国といってもニュージーランドの経済規模は小さく、ニュージーランドドルの流動性もあまり高くない点は注意が必要です。
豪ドルと連動
ニュージーランドドルの特徴として、豪ドルとの連動性が非常に高い点もあげられます。ニュージーランドの貿易は輸出・輸入ともにオーストラリアが20%前後で第一位を占めています。また、ニュージーランドは観光収入がGDPの10%以上を占める観光立国なのですが、その4割がオーストラリアからの観光です。このように、両国は経済的な結びつきが強いことに加え、為替市場では両通貨の連動性が高いというイメージが定着していることも、さらに連動性を高める要因になっていると考えられます。
ドルはアメリカの通貨?
例えば
etc・・
と、これだけじゃなくドルの種類はまだまだたくさんあります。
国の指定がない場合にアメリカのドル、USドルを指すんですね~!
この❝USドル❞ってのは世界の基軸通貨として使われている
ドルの特徴
米ドルの特徴に関しては取引量が多いことからも値動きが比較的安定していることです。
特に世界第2のユーロ、第3位の円との組み合わせであるユーロ/ドル、ドル/円は取引量トップ2になります。
大きく動いても20~30pips程度の動きに収まることが多く、ほかの通貨ペアよりも値動きは断然安定しているんですね。
値動きしやすい時間は?
このドル絡みの通貨ですが、値動きしやすい時間帯は
ニューヨーク市場が開いている時間帯!
日本時間で夜9時ころから夜中の2時3時くらいですね。
この時間帯は
でもあるので、アメリカのドルが動くのは当然と言えば当然ですね!
その他にもこの時間は世界一の取引量を誇る❝ロンドン市場❞が開いている時間帯。
世界№1シェアの米ドルが世界№1取引量のロンドン市場で取引されるので値動きが激しくなるのは当たり前ですよね。
この時間はFX全体で見ても最も取引量がある時間帯です。
当然シェア№1のドルが動いてきますよね。
実はこの時間のほかにも意外とドルが動いてくる時間帯があります。
日本時間の15:00!!
この時間は東京時間のオプションカットの時間!
決められた満期日の最終的な締切時間のことを指します。
また海外送金においては、送金の受付の締切時間のこと。
この「これまでに終えてください」っていう決まりがあるので東京時間オプションカットである15:00にポジションを決済してくるトレーダーがいます。
その他にも、海外送金受付の締切時間!
日本の輸出企業が米ドルを円に替える際の締め切り時間がこの時間なんですね。
これらの取引が15:00に一斉に決済してくるので相場が動くわけです。
ドルは基軸通貨の為、日本の輸出企業も売買代金は米ドルで受け取っています。
輸出企業が米ドルを円に替える際にも外為取引が使われているんですよね。
この時間に米ドルと円の取引が活発になるため、特に❝ドル円❞は結構動いてくるんです。
もう一つはロンドン市場が開く16:00~17:00!
この時間もドルが動いてきます。
取引量世界№1の取引量を誇るロンドン市場が開く時間は当然、為替相場全体が動いてきます。
そんな中でシェア№1の米ドルが動くのは当然ですよね。
- 15時には東京時間のカットオフタイムでポジションを決済してくるトレーダー
- 16時からはロンドン市場が開くため、欧州勢が参入
これらが重なってくるため、ニューヨーク時間以外でもドルが動いてくることって結構あるんです。
特にロンドン市場が開く時間帯は欧州勢が東京時間の動きを見て市場に参加してくるため、
まとめると
- ニューヨーク市場が開く21:00ころ~夜中の2:00くらい
- 東京時間のカットオフタイムである15:00くらい
- ロンドン市場が開く16:00~17:00くらい
これらの時間はドルが動きやすい時間になります
ユーロの特徴はボラティリティの高さ
ユーロはEU=欧州連合で使われている通貨です。
そのため、EU加盟国の中で何かがあると、ユーロ全体に影響を与えてきます。
分かりやすいところで言うと
ギリシャショック
ですね。
要は財政破綻ですね。
ギリシャはEU加盟国であったため、ユーロ全体に大きな影響を与えました。
結局EUから援助してもらい何とか持ちこたえますが、ギリシャという国の信頼が落ちてしまったことでユーロ自体は大暴落しましたね。
ギリシャショックのようなことが起きるとまず貨幣価値に影響が出ます。
国の信用によってその国で使われている貨幣価値が決まるわけですからギリシャの財政破綻で国の信用はガタ落ち。
するとギリシャで使われている法定通貨「ユーロ」に影響が出ます。
EU加盟国で使われている通貨ですから、ギリシャだけでなくユーロ全体に影響を与えたんですね。
これがユーロはボラティリティが高いと言われている理由です。
色んな国が集まっている中で使われている通貨ですから一つの国で何かあると全体に影響を与えてくるんです。
ユーロは米ドルに次いで世界第2位の取引量を誇っています。
「アンチ・ドル」といわれていることからも基軸通貨である米ドルに不安が集まると、自然と第2位の基軸通貨であるユーロが買われる傾向があります。
もちろん必ず反対に動くわけではありませんが・・・。
傾向としては反対の動きになります。
世界第1位が買われている時は2位はあまり買われず、1位の米ドルに何かあった時は2位ユーロの方が買われる、というような関係性。
世界1位の米ドルと第2位のユーロの組み合わせである「ユーロドル」は世界的に見ても値動き、取引量共にトップを誇ります。
米ドルとユーロは反対に動く傾向があるため、
どちらかに方向性が出たらその方向に一気に動く
ってのが「ユーロドル」の特徴になります。
値動きしやすい時間帯
欧州市場が開く時間は16時くらいからなのでこの辺りからユーロは一気に動き出してきます。
世界最大の取引量を誇る❝ロンドン市場❞が開く時間帯なので欧州圏の通貨が動くのは当然と言えば当然ですよね。
ここからFX市場全体でも活気が出てくる時間帯。
そして
ニューヨーク市場も開く21時~22時くらいがもっとも動く時間帯。
この時短帯は「ロンドン市場」「ニューヨーク市場」が同時に開いているため取引量がもっとも増える時間帯です。
1日の中でもっともボラティリティが高く値動きが激しくなる時間。
必然的に世界第1位の米ドル、世界第2位のユーロの値動きは激しくなります。
特にユーロドル(EUR/USD)の通貨ペアは世界で1番に取引が活発な通貨ペアでもあるので、この時間帯がユーロドルがもっとも動く時間帯です。
りすれば僕個人としてはそこまで怖い通貨でもないのかな・・・と思います。
流動性が高い通貨でもあるので、特徴とリスクはしっかり理解してトレードに活かしていきましょう!
世界第4位通貨ポンド
値動きが非常に激しい
ポンドの特徴として値動きの荒さがまず第一にあげられます。
一日で1円~2円動くことも珍しくないほどボラティリティが高く殺人通貨とも呼ばれています。
1円下がって2円上がるって動きもあるのでエントリーの際には逆指値をどこに置くべきか悩ましい通貨。
ポンドが大きく動いたことで有名なのは「イギリスのEU離脱」があげられますね!
この時は国民投票発表後に30円(3000pips!)ポンド円は下落。
世論ではEU残留という意見が多かったにもかかわらず、EU離脱が多数となり短時間でポンドが売られました。
これによって「EU離脱」を予想していたトレーダーは大きな利益を上げることができた一方で、「EU残留」にかけていたトレーダーは大損・・・。
大きな話題になりました。
ポンドが急落し、その影響でドル円も一時98円台まで下がり急激な円高になりましたね~・・・
怖すぎ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
ポンドをトレードする際にはリスク管理(取引lot)には常に気を付けなければいけない通貨です。
値動きが激しいため、ポンドだけは取引しない
というトレーダーがいるほど
ポンドは投機筋に特に人気のある通貨です。
その理由は・・・
ポンドが高金利通貨だから!
円やスイスフランなど低金利通貨をもとにポンドを買う「キャーリートレード」に使われことが多いんですよね。
特に円は安全通貨としてリスク回避時に買い戻しで資産を守ることが出来るため、キャリートレードに使われることが多いです
ポンド特徴まとめ
値動きしやすい時間帯
ポンドの値動きしやすい時間としてはなんといっても欧州時間!
取引量世界№1のロンドン市場が開いてくる16時くらいから値が動き出してきます。
17時くらいからイギリスで経済指標の発表がありますが、そこで示し合わせたようにヘッジファンドたちが動き出してきます。
イギリスの経済指標のある17時から20時くらいにかけてはヘッジファンド(投機筋)が一斉に仕掛けてくる時間の為、この時間のポンド関連は特に要注意!
オセアニア時間、東京時間であまり動かなかったポンドが短時間であらぬ方向に・・・Σ(゚Д゚)!?
ってことがしょっちゅうある時間帯。
値動きが荒いポンドですから注目度の高くない指標でも動いてくる場合があります。
政策金利などが控えている場合は絶対に手を出すべきではない時間帯!
ここからニューヨーク市場が開いてくる時間帯ですが、ニューヨーク市場と重なっている時間帯より17時~19時くらいの方が変動幅が大きいです。
これは先ほども言ったヘッジファンドの存在。
イギリスの経済状況によって資金を動かしてくるので、イギリスの経済指標がある夕方の時間帯の方がポンドの変動幅は大きくなる傾向にあるんですね。
ポンドは投機筋の保有が多いため、経済指標の影響を受けやすいです。
なので夕方、イギリスの指標発表が控えている時間の方が価格の変動幅は大きいことは覚えておきましょう。
取引量は世界第4位であり、ポンドドルはユーロドル、ドル円に次いで世界第3位の取引量の通貨ペアでもあるのでニューヨーク時間にも当然動いてきます。
なのでロンドン市場が開く16時くらい~深夜2時くらいがもっとも値が動く時間帯ですね。
特にイギリスの経済指標発表がある時間帯はポンドは大きく動いてきますので覚えておきましょう。
豪ドル
豪ドルは高金利通貨として知られ、スワップ狙いで長期保有する「キャリートレード」に人気のある通貨です。
基本的には値動きはあまりなく、ボラティリティは低めの通貨。
資源の中でも特に強い相関性を持つのが❝金❞と❝原油❞
オーストラリアは世界有数の金の産出国でもあり、原油輸出国でもあるので、金と原油価格との連動性が高いのが特徴です。
金の価格と原油価格に連動して上下するのが豪ドルの特徴の一つですね。
豪ドルの一番の特徴といえば、高金利通貨であること!
政治、経済的に不安要素が少ないため、金利目的で長期保有する「キャリートレード」に人気のある通貨ですね。
2008年3月には政策金利が7.25%まで引き上げられましたが、2016年5月で1.75%まで金利が下落。
2017年6月でオーストラリアの政策金利は1.5%で推移しています。
それでもアメリカの0.75%や日本の0.1%等と比べると抜群に高い金利!
主要通貨と比べると高水準であり、政治・経済的にも不安要素が少ないので長期保有でスワップ狙いのトレードに人気なんです。
金利が高い通貨は「トルコリラ」「南アフリカランド」などがありますが、豪ドルの方が流動性が高く、保有中の急激な価格変動が起きにくいので、リスクの面から見ても豪ドルは人気なんです。
オーストラリアは資源国であり、その最大の輸出相手が中国!
中国の経済によっても豪ドルは大きく値動きするのです!
中国経済によって値が動いてくるので、一見関係なさそうな豪ドル/ドルなんかがアジア時間に大きく動く場合もあります。
豪ドルの特徴まとめ
ここまでの豪ドルの特徴をまとめると
値動きしやすい時間帯
基本的に豪ドルはボラティリティが低く、値動きはあまり大きくありません。
ですが、午前中に豪ドルらしからぬ動きを見せる場合があります。
その理由は
- オーストラリアで経済指標の発表がある時間帯
- 中国の経済指標発表の時間
だからですね。
オーストラリアの政策金利の発表時間も午前中ですからね。
それによって豪ドルが急激に動く場合があるんです。
その他はやはり、ロンドン時間、ニューヨーク時間ですね。
豪ドル単体の動きではなく相対する通貨ペアによって豪ドルチャートが動いてきます。
- オーストラリア、中国で経済指標の発表がある午前中
- FX市場がもっとも活発に取引される夕方~深夜2時くらい
この時間帯が豪ドル関連が動く時間帯です。
ゴト一日
5の倍数の日がゴトー日
ゴトー日はカタカナで名称だけ見ると分かりませんが、5のゴと10のトーと見れば分かるように5、10が付く日を指します。
最も10は5の倍数に組み込まれているため、5の倍数の日が該当すると考えればいいでしょう。
そのためゴトー日は5、10、15、20、25日が該当し、更に月末も該当します。
30日も5の倍数なため該当する考えてしまいがちですが、該当する時はあくまで月末の時だけです。
2月や31日が月末の月は該当せず、逆に月末の日がゴトー日となるため気をつけましょう。
ゴトー日は単純に言えば海外との取引が活発になる日です。
企業には決済日があり、その期日が5の倍数に集中しています。
ゴトー日が決済日ではない企業もありますが、大半の企業は決めているのです。
国内では円による取引が行われますが、当然海外となれば円は使われません。
世界では基軸通貨としてドルが使われているため、ドルが大量に購入されるのです。
そのためゴトー日はFXという視点から見れば「ドルが大量に買われる日」と考えていいでしょう。
ドル円の相場が上がりやすい
FXの為替相場はトレーダーの取引によりどう動くか決まります。
ドルが含まれている通貨ペアの相場はドルが買われることでレートが上がるため、相場としては上昇するのです。
ゴトー日ではドルが買われますが、一方で円は売られる傾向にあります。
そのためどちらも含まれているドル円の相場が上昇しやすいのです。
ドル円はスプレッドも狭く取引量が多い通貨なため、メインの取引先としているトレーダーも少なくないでしょう。
ドル円で取引しているトレーダーは「ゴトー日はドル円が上昇しやすい」と理解しておくといいです。
期日のズレに気をつける
ゴトー日を確認する上で気をつけたいのが休日と祝日のケースです。
FXの為替相場は土日取引ができませんが、祝日の場合は正月といった一部を除いて取引できます。
土日に取引ができない時はその前日、金曜日に行われるケースが多いです。
そのため土日がゴトー日の場合は金曜日に動きが出ると考えましょう。
気をつけたいのは土日ではなく祝日の時であり、基本的にFXで取引する為替相場は祝日でも動いています。
為替相場は国内だけでなく海外でも取引されるものなため、国内の休日は関係ないからです。
しかしゴトー日による取引は話が別であり、国内の企業が取引を行うため祝日はゴトー日に該当しません。
土日の時と同じく前日に行われる可能性が高いため、祝日にゴトー日がないか確認しておきましょう。
ゴトー日にドル円はどう動くか
ゴトー日にドル円の取引をするトレーダーは、どう動くか理解しておかなければいけません。
全ての通貨ペアが影響を受ける
ゴトー日は円が売られ、ドルが買われる日になります。
「別にドル円で取引していないから関係ない」と考えるトレーダーもいるでしょう。
しかしゴトー日による影響は全ての通貨ペアが関係してきます。
円が含まれている通貨ペアはクロス円と呼ばれ、必ずドルの取引が仲介されて行われているからです。
全ての通貨ペアではドルの取引が前提になっているため、ドルによる動きの影響を受けるようになっています。
ドル円以外の通貨ペアで取引をしている方もゴトー日は意識しておきましょう。
動きの終わりは仲値が決まる9時55分
まずゴドー日による動きの影響がどこまで続くか理解しておきましょう。
ゴトー日に限った話ではありませんが、銀行は9時55分の時に付けているレートを仲値とします。
仲値とはその日に取引の基準となるレートであり、1日は決定されたレートで取引が行われるのです。
為替相場で取引していれば分かりますが、レートはリアルタイムで変動しています。
現在のレートを参考にして取引するとなればわざわざ確認しなければならず、更に確認と取引する時にもレートは変わるでしょう。
そのため仲値という形で基準のレートを決めるわけです。
基本的に決定された仲値が変更されることはありませんが、為替相場は時に大きな変動を起こします。
もし相場のレートが大きく変わった時は再び仲値が変更されるのです。
企業、銀行にとっても基準となるレートを決める重要な時間帯なためゴトー日にも意識されます。
そのため仲値が決まった9時55分が終わりの時間帯であり、それ以降はゴトー日の影響がなくなるのです。
取引をする場合は9時55分を意識して決済の目安を考えましょう。
始まりの時間帯は相場を見て予測する
問題となるの終わりの時間帯ではなくゴトー日の影響がいつ出るか始まりの時間帯です。
為替相場はトレーダーの取引によって動くため、始まるのはゴトー日をトレーダーがどう意識しているかで変わります。
ゴトー日の前日から意識してドルが購入され相場が上昇するケースもあり、いつ動きが出てくるか分からないのです。
ゴトー日で取引を考える場合は相場が影響を受けて動いているか分析しなければいけません。
前日の相場を見て他に上がる要素がほとんどないのに上昇して場合は影響があると判断していいでしょう。
見方を変えれば影響があるか判断するために、今取引している相場の情報を仕入れた方がいいといえます。
終わった後は下落する可能性もある
仲値を迎えればゴトー日による取引は一旦終わったことになります。
更に明確な「終わる時間帯」がトレーダーに知らされているため、目安にしてポジションを決済する方も多いでしょう。
そのため終わった後は決済が行われることにより、相場が下落するケースも多いです。
終わった後なためどれくらい下落するかは分かりませんが、動きに変化があるのは事実になります。
9時55分を過ぎた後は下落に気をつけて取引を考えましょう。
ゴトー日だから必ず動くとは限らない
気をつけたいのはゴトー日だから必ず上昇するとは限らないという点です。
為替相場はトレーダーの取引や政治、経済の情報で動きが決まるため、時にはゴトー日の影響がほとんど出ない場合もあります。
影響がなければ下がる可能性もあるため、上がると考え買ってしまうと損失を出してしまうでしょう。
実際ゴトー日に影響を受けて動く確率はそこまで高くありません。
そのためゴトー日の時は本当に影響を受けて動いているか確認して、取引に入った方がいいでしょう。
ゴトー日でどう取引していくか
動きの特徴が分かったところでポイントになるのが取引する本人がどのようにやっていくかです。
ゴトー日は以下の点を抑えて取引していきましょう。
基本的に決済は仲値の決まる9時55分
取引の前に決済についてですが、やはりタイミングとしては仲値が決まる9時55分となるでしょう。
他のトレーダーも目安にして決済するため、相場が下落しやすくなります。
必ずするとは限りませんが、可能性を考えれば持っているより決済した方が利益は大きくなるでしょう。
タイミングとしては9時55分ではなくその数分前にしても構いません。
取引は上昇を確認できてから
ゴトー日だから必ず上昇するとは限らないため、ポジションを持つのは影響を受けていると判断できた時になります。
相場を見て上昇傾向にあるか確認しましょう。
どう判断するかは他のトレーダーも同じなため、相場が上昇していると分かれば他のトレーダーも入ってくる可能性は高いです。
テクニカル指標を使う等して上昇トレンドのようになっている確認してみましょう。
しかし始まりの時間帯が早いと仲値の発表が来る前に流れが衰えるケースもあります。
日を跨いで取引を考えていないトレーダーの場合、上昇の幅がどれくらいになっているか確認しましょう。
幅があまり大きくない場合は勢いが弱くなっていると考えられるため、取引に入らない方がいいです。
下落を狙うのも一つの方法
仲値の決定時間を過ぎると下落しやすい関係から、狙って売りのポジションを持つやり方もあります。
しかしゴトー日と同じように下落も必ず起きるとは限りません。
特に普段の相場で上昇傾向が強い場合はそのまま勢いを借りて動く可能性も考えられます。
狙う場合は普段の相場の状況も確認し、上昇がゴトー日による一時的なものだったと判断できる時にしましょう。
長期取引の場合は手仕舞いの判断だけにする
ゴトー日による影響は短時間によるものであり、長期取引で狙うものではありません。
長期取引をしている方はゴトー日で取引することはないでしょう。
しかし影響による流れでポジションによっては損失の出る可能性は考えられます。
そのため流れを見て損失の出る方向に動くか分析し、今のポジションを決済して手仕舞いするか判断しましょう。
あえて避けて取引するのも一つの方法
ゴトー日は必ず影響を受けて動くとは限らないため、トレーダーによっては分析し難い相場になるでしょう。
取引がやり難い時間帯と考えた場合はあえて静観するのも一つの手です。
ロンドンやニューヨーク市場であれば既にゴトー日の影響は終わって普段通りの流れとなるでしょう。
自分のやりやすいと思う時間帯に取引するのも為替において大切です。
ゴトー日で踊らされないように
ゴドー日も影響の一つに過ぎず、FXの為替相場は様々な情報からどう動くか決められています。
特定の日と時間帯が分かっているため、意識を持っていかれてしまいがちです。
しかし他の情報がおざなりになっていると不意の動きにやられてしまう可能性が高くなります。
取引をする時はゴドー日ということだけでなく別の情報も頭に入れて考えていきましょう。
チャートの見方
チャートとは
チャートとは、為替レートの変動を価格や時間の軸でグラフに表したものです。過去の為替レートの数値をグラフ化することで、相場の流れを視覚的に把握することができます。外国為替相場ではBID(ビッド)とASK(アスク)の2つのレートがありますが、チャート上では基本的にBIDレートにて表示されます。
「ドル円チャート」や「ユーロ円チャート」、「日経平均チャート」などといった言い方をし、例えば「ドル円チャート」はアメリカドルと日本円の値動きを示したグラフ、「ユーロ円チャート」はヨーロッパの通貨であるユーロと日本円の値動きを示したグラフという意味です。
チャートの見方がわかれば、過去のデータを分析して未来の数値を予測したり、グラフの形で今後の展開を予想するなど、様々な方法で相場が予測できるのです。
チャートの見方
では実際に、チャートの見方について解説していきましょう。まずチャートには、ローソク足チャート、バーチャート、ラインチャートの3種類があります。現在日本で使用されているのは、ほとんどがローソク足チャートです。
日本で考案されたローソク足チャートは、形がローソクに似ていることからその名が付けられました。現在では「キャンドルチャート」の名称で海外でもポピュラーなチャートとなっています。今回はこのローソク足チャートの解説をしていきます。
上の図をご覧ください。まず縦軸に書かれている「76.000~84.000」という数字は通貨の価格を表しています。これが「ドル円チャート」だとしたら「米ドルが1ドル何円か」というグラフなので、76.000では1ドル=76円ということになります。横軸では右に行くほど日付が進みます。
つづいて、赤と青の波打っている棒があります。これが「ローソク足」です。このローソク足の動きが、値動きを表します。このチャートでは、76.000まで下落した後、84.000の辺りまで上昇し、そのあとはまた下降しています。つまり「1ドル=76円になった後、1ドル=84円まで上昇し、そのあとまた下落していった」ということが読み取れます。
ローソク足の見方
チャートを読むには、まずローソク足の見方から覚えましょう。一本一本のローソク足にはたくさんの情報が詰め込まれていますので、ローソク足の見方を覚えれば様々な状況を読み取ることができます。
ローソク足は、始値(はじめね)、終値(おわりね)、高値(たかね)、安値(やすね)の4つの価格を表します。
これら「4本値」は、相場の方向性を知る手掛かりとなり、大まかな値動きを知ることができます。
実体とヒゲ
ローソク足の太い部分を「実体」と言います。実体は始値と終値の価格差で、実体を見ればその日の始めと終わりでどれくらいの差があったのか一目で分かります。
また、実体から高値のラインまで伸びている細い線を「上ヒゲ」、実体から安値のラインまで伸びている細い線を「下ヒゲ」と言います。このヒゲと実体のパターンによって、様々なサインが読み取れます。
陽線と陰線
同じローソク足でも、終値が始値より高かった場合は「陽線」、終値が始値より低かった場合は「陰線」と言います。上昇相場では陽線が多く、下降相場では陰線が多くなります。
陽線と陰線は青と赤、白と黒などといった2色の異なる色で表します。特にどちらが何色とは決まっておらず、FX会社によっては色を自分で変更することも可能です。
ローソク足チャートが素晴らしいのは、形や色によって視覚的に感じることでより明確に値動きのイメージをさせてくれるところにあります。
ローソク足チャートの種類
ローソク足チャートには、時間軸で区切られた様々な種類があります。1日の値動きを1本のロウソク足で表すものを日足(ひあし)、1週間なら週足(しゅうあし)、1ヶ月なら月足(つきあし)、1年なら年足(ねんあし)と言います。そしてこれらをさらに細かくした分足、5分足、15分足、30分足、60分足などがあります。
一つの時間軸だけではなかなか相場を理解することはできないため、短期型トレードの場合なら分足や5分足、中長期型トレードなら日足や週足といったように、トレードスタイルに合わせて数種類のローソク足を使うことになります。
チャート上の売買のタイミング
さて、ローソク足と移動平均線の見方が分かればようやくチャートを見ながら相場の予測ができます。売買の基本は「価格が安い時に買い、価格が高くなったら売る」もしくは「価格が高い時に売っておき、価格が安くなったら買い戻す」ということで利益を出します。では、チャート上のどのタイミングで売り買いをすれば良いのかを見ていきましょう。
買いのタイミング
まずは「買い」で利益が出るタイミングを見てみましょう。「買い」で利益が出るパターンは、このようなチャートです。
ローソク足が徐々に上がっていっています。これは上昇相場で、「買い」で利益が出るパターンです。チャートを見て右肩上がりに上がっているようなら買いで入り、さらに上がったタイミングで決済をすれば利益が出ます。「上がっている時は買い」と覚えましょう。
売りのタイミング
では続いて「売り」で利益が出るタイミングを見てみましょう。売りで利益が出るパターンは、このようなチャートになります。
ローソク足が右下の方向に下がっていっています。これは下落相場で、「売り」で利益が出るパターンです。チャートを見て右下の方向に下がって行くようなら売りで入り、さらに下がったタイミングで決済をすれば利益が出ます。「下がっている時は売り」と覚えましょう
移動平均線
移動平均線とは、ある一定期間で売買された値段の平均値を結んだものです。5日移動平均であれば、5日間の終値を合計して5で割るといったように算出します。この5日移動平均をつないでいき、5日移動平均線ができます。
移動平均線の傾きが右肩上がりならば上昇トレンド、右肩下がりならば下降トレンドといったように、相場のトレンドが一目で把握できます。