チャネルライン
チャネルラインとは
チャネルラインとは、「トレンドラインを平行に引いた2本の線」のことをいいます。次のチャートをご覧下さい。
ローソク足の安値同士を結んだ上昇トレンドラインAと、それと平行のラインをローソク足の高値側に移動させたラインがあります。この2本の線を合わせてチャネルラインと言います。2本のラインの角度が同じであることに注目してください。
1.1.アウトライン/チャネルアップ/チャネルダウン
さて、チャネルラインについて学ぶ上では、以下の3つの用語を覚えておくと便利です。
- アウトライン
- チャネルアップ
- チャネルダウン
それぞれ解説していきます。
アウトライン
トレンドラインと平行に引いた線のことをアウトラインといいます。下図だと、安値同士を結んだ上昇トレンドラインを、そのまま上方向にスライドさせたA・B・Cのラインが、それぞれアウトラインです。
アウトラインだけを残したものです。
下降トレンドの場合は、高値同士を結ぶ下降トレンドラインを、平行に安値側に移したものがアウトラインになります。
チャネルアップとチャネルダウン
チャネルラインのうち、下降しているものをチャネルダウン、上昇しているものをチャネルアップといいます。
チャネルラインの引き方|トレンドラインを先に引く
チャネルラインを引くときは、まずトレンドラインを引いてからアウトラインを引くようにしましょう。なぜなら、トレンドラインは、トレンドがスタートする箇所を起点とし、アウトラインはトレンドが終わる箇所を終点とするラインだからです。
ラインを引いて相場を正しく理解するためには、時間の流れに沿って、実況するような気持ちでラインを引くことがコツです。時間の経過で言えば、トレンドの起点が先にできて、最後に終点ができますよね。そのため、先にトレンドラインを引いてからアウトラインを引いた方が、相場を把握しやすいのです。
時には、先にアウトラインから引くときもないわけではありません。それでも、普段はできるだけトレンドラインを先に引くのがコツです。
チャネルラインの見方のルール
続いてチャネルラインの見方を説明させて頂きます。チャネルラインの見方は以下の三つです。
- 相場はチャネルラインの値幅で動く
- チャネルラインの長さ・角度・値幅で相場の強さを判断する
- 一つのチャネルラインだけでは判断しないこと
それぞれ見ていきましょう。
2.1.相場はチャネルラインの値幅で動く
下の図の白い丸の部分をご覧下さい。トレンドラインAを上にスライドしただけなのに、ローソク足は、高値と安値でピッタリと止まっています。
このように、相場は一定の値幅を何度も往復して動く傾向が強いのです。これは、レンジ相場でもトレンド相場でも同じです。
レンジ相場のときは、同じ価格帯を往復します。トレンドのときは、チャネルラインは斜めになります。レンジでもトレンドでも、チャネルラインの間で一定の値幅が保たれるのが基本です。このようにチャネルラインは、相場の動きと方向性をわかりやすく表してくれる大切なラインなのです。
以下の、何もラインを引いていないときのチャートと見比べてみましょう。チャネルラインがどれだけ相場をわかりやすくしてくれるかが一目瞭然ですね。
それでは、なぜ相場は、このようにチャネルラインの値幅で上下動するのでしょうか。ここで思い出していただきたいのが、「相場は常にNの字で動いている」というルールです。
下図をご覧下さい。
どんなに強いトレンドでも、必ず押し目や戻し目をつけながらN字で動いていきます。トレンドが一直線に上がり続けることはありません。上昇トレンドのときは、上昇したら、小休止のために一時的に下落し(=押し目)、また上昇していきます。下降トレンドの時は、下降したら一時的に反発し(=戻し目)、また下降していきます。
なぜかというと、例えば、上昇しているということは、売りよりも買い圧力が強いということです。つまり、買いポジションを持っているトレーダーが大勢いるということです。そして、相場が高値を越えると、買いポジションを持っているトレーダーの含み益が増えます。
そうなると、どこかでポジションを売って、利益を確定しておきたいと考えるトレーダーが出てきます。このときの一時的な売り注文の増加が、相場の反落の要因です。
しかし、まだ上昇トレンドの最中なので、この下げを押し目だと判断したトレーダーが、また買い注文を入れます。このような買いや売りの圧力の上下動が相場にN字の波を描かせる要因なのです。N字の波があるからこそ、チャネルラインを引くことができます。
チャネルラインの長さ/角度/値幅
次に下図をご覧下さい
Aのチャネルラインの波で進んでいた相場が、Bの緩やかな角度に変わり、Bの上昇トレンドの波が終わって、Cの右肩下がりのトレンドになっているという相場環境です。チャネルラインがあることによって、A・B・Cのそれぞれの波の値幅と角度が、非常にわかりやすくなっています。
具体的には、チャネルラインは、以下の3つの視点で相場を判断します。
- チャネルラインの長さ:長いほど支持/抵抗の力が強く、ブレイク後の反動も大きい。
- チャネルラインの角度:急なラインほどトレンドの力が強いが短くなる。
- チャネルラインの値幅 :値幅が広いほど、そのトレンドは強く長く続く。
上図A・B・Cのチャネルラインは、それぞれ、長さ・角度・値幅が異なります。
まず、AよりもBの方が、角度が緩やかで、値幅も広いですね。そのためBの方が長くトレンドが続いています。しかし、Aの方が角度が急なので、短期で、強い上昇トレンドが発生しています。このように、3つの視点でチャネルラインを見ると、相場の動きをより具体的に分析できるようになります。
黄色のチャネルラインは、太く長く緩やかに続いています。白色のチャネルラインは、細く短く急激に上昇しています。それぞれ、太い幹と、細い枝のように考えると覚えやすいです。幹が太ければ太いほど、その木はゆっくり大きく成長します。細い枝は、伸びるのは早いですが、長く伸びることなく途中で折れてしまいます。
一つのチャネルラインだけでトレードしないこと
チャネルラインを覚えたばかりのトレーダーによくある間違いが、チャネルラインの中だけでトレードするようになってしまうことです。単純に、トレンドラインに当たったら買い、アウトラインに当たったら売りという戦略では勝つことはできません。
なぜなら、トレンドラインと同様に、チャネルラインはいずれブレイクするからです。下図をご覧下さい。
トレンドラインにあたったAで買い、アウトラインにあたったBで売りをすれば、勝ちトレードになります。
しかし、Aでポジションを持ったあなたは、果たしてBまで保有できるでしょうか。Bまで上がる根拠は、チャネルライン以外に何もありません。そのような薄い根拠では、実際のトレードの時は、いつ下落するか分からない不安でいっぱいになります。
たとえ含み益が出たとしても、すぐに利益確定したくなるでしょう。それならまだマシで、Aでポジションを持ったまさにそのときに、Cのようにチャネルラインを下抜けて含み損になる可能性もあります。一度はうまくいったとしても、絶対に長続きしません。一度でも、下抜けを経験するだけで、それ以降は自信を失い、同じ手法のトレードはできなくなることでしょう
チャネルラインの中と外での戦略を考える見方
チャネルラインを引いたときに考えていただきたいのは、上述のような、一つのチャネルラインに頼った安易な戦略ではなく、チャネルラインの流れが変わるポイントを探すことです。つまり、チャネルラインがブレイクするポイントとブレイクした後のことを考えるということです。
そうすることで、チャネルラインの中での戦略と、ブレイクした後のチャネルラインの外での戦略の両方を立てることができます。
最初からチャネルの中だけでトレードしようとすると、視野が狭くなり、絶対に勝てるようにはなりません。逆説的ですが、チャネルラインの外のことまで考えるからこそ、チャネルラインの中でも適切なトレード戦略が立てられるようになるのです。
イメージとしては、思考に以下のような違いが生まれます。
狭い視野》
現在このチャネルラインで上昇しているから、次にトレンドラインに当たったら買おう
《広い視野》
現在このチャネルラインで上昇しているから、さらに上にいくには、トレンドラインとサポートラインが交差するポイントで上昇し始めるはずだ。逆にここを抜けてしまうと大きく反転するだろうし、さらに長い時間のチャートだと、下降トレンドの一時的な戻りの可能性もある。このポイント付近までは様子見をしよう。
例えば、下図をご覧下さい。
チャネルラインだけではなく、レジスタンスラインや、別のトレンドラインを引いて分析しています。それぞれのラインが交差するところで、下落トレンドが発生する根拠を3つ見つけることができます。このチャートの事例に関しては、後ほど詳しく説明しています。
ここでは、チャネルライン一つだけではなく、ブレイク前後のことも考えて、広い視野で相場を見ることが重要だということをご理解下さい。また、チャネルラインは、ブレイクすることを前提にした戦略を立てることによって、初めて活きてきます。
後述するトレード例まで、しっかり理解してください
チャネルラインのブレイク後の3つのルール
これまでは、主にチャネルラインの中での見方や考え方を説明させていただきます。ここからはチャネルラインがブレイクした後の戦略をお伝えしてきます。以下の2つを覚えておいて下さい。
- ブレイク後はチャネルラインの2倍の値幅が出る
- チャネルラインの値幅がトレンドの基準になる
これがチャネルラインの本当の使い所です。この使い方を身につけると、あなたのトレードの成績は驚くほど改善されることでしょう。
ブレイク後はチャネルラインの二倍の値幅が出る
チャネルラインをブレイクすると、そのチャネルラインの2倍の値幅が出ることがよくあります。下図をご覧下さい。
BC間のチャネルラインをブレイクした後、ちょうど二倍の値幅であるDまでローソク足が到達しています。なぜ2倍の値幅が出るのでしょうか。その前提として、相場に関する次の格言を覚えておいて下さい。
「相場は達成感があるまで進む」
達成感とは、市場参加者が、「ここまで値が動いたから、もう十分だろう」と感じることです。チャネルラインがブレイクしたら、相場は達成感があるまで進みます。そして、市場参加者が達成感を得る一つの基準がチャネルラインの値幅なのです。チャネルラインを、一種のレンジ幅(もみ合いの幅)として考えてみて下さい。
ブレイク後のトレンドの基準になる
チャネルラインがブレイク後に2倍の値幅が出た場合、それは、あなたが引いたチャネルラインがしっかりと機能していることを意味します。機能しているということは、多くのトレーダーが同様に、そのチャネルラインを意識しているということです。
そして、今後の相場も、そのチャネルラインを基準に動く可能性が高いということです。この場合、これからのトレンドの値幅も、チャネルラインの値幅と同じになることが多く見られます。
下図をご覧下さい。
レンジ幅としてチャネルラインを形成し、下にブレイクしています。また水平のチャネルラインはレンジ相場になっています。次に、ブレイク後の値幅を見てみましょう。
下図をご覧下さい。
Aの値幅が基準となり、BとCで同じ値幅が出ています。白い丸の箇所を見ると、全て最初のチャネルラインの幅を基準に、値が反転したり、ブレイクしたりしていることが分かると思います。
このとき、この先レンジ相場でもトレンド相場でも、この値幅を基準として相場が動くと想定することが大切です。それができていれば、チャネルラインの波が継続する限り、この値幅も継続しますので、トレード戦略を立てることが容易になるわけです。
3.3.二倍の値幅が出ない場合はトレンドが弱い
チャネルラインをブレイクしても、2倍の値幅が出ない場合は、トレンドが弱い証拠です。このようなときは、上下に振られるリスクが高まり、急反転したり、値がダラダラと進んだりしますので、様子見をすることがおススメです。
他のツールと組み合わせるトレードの実例三つ
チャネルラインは、スキャルピング・デイトレード・スイングトレードの、トレードスタイルを問わず、有効なテクニカルツールです。また、順張りも逆張りも可能で、さらに、サポートラインなどの他の根拠と組み合わせると、より確度が高いトレードをおこなうことができます。つまり、チャネルラインを使ったトレード戦略を覚えると、どんなトレードスタイルや手法に生かすことができます。
そこで、私が実践しているチャネルラインを使ったトレード戦略を説明させていただきます。
決してチャネルライン1本だけで判断しているのではなく、チャネルラインで相場の波を把握し、他の根拠と組み合わせて判断している点を、意識して読み進めて下さい。
4.1. チャネルラインをブレイクした後の逆張り
まずは、チャネルラインのブレイクと、トレンドライン・レジスタンスラインを組み合わせた逆張りトレードの事例を説明します。なお逆張りとは、トレンドの方向とは逆のトレードを行うことです。
以下のようなプロセスになります。
- チャネルラインをブレイクしたことから上昇トレンドが終わった
- その後、しばらくダラダラと上下どちらかに迷った状態が続いた
- 一時的な上昇を見せたがレジスタンスラインとトレンドラインが抵抗帯として機能した
- チャネルラインの値幅の2倍を利益確定ポイントとして設定して逆張りトレード
ブレイク後に下降トレンドになるか予測
早速、下図をご覧下さい
Aで上昇チャネルラインを下抜けています。上昇チャネルラインをブレイクしたという事実は、あくまでも一つの上昇トレンドが終わったことを意味するだけであって、必ずしも下降トレンドが始まるわけではありません。ここは重要なポイントなので注意して下さい。チャネルラインのブレイクは、単にそのトレンドが終わったということしか意味しません。
さて、その後、相場はしばらくレンジとなりました。
そして、矢印の箇所で下落のスイッチが入って下降トレンドが始まっています。なぜ、ここが下落のスイッチだと判断できるのでしょうか。それは、ここでレジスタンスラインと下降トレンドラインが交差しているからです。
- Aのポイントでチャネルラインを下抜け(上昇トレンドが終了)
- その後、矢印のポイントでレジスタンスラインが抵抗帯として機能した。
- 同ポイントで下降トレンドラインも抵抗帯として機能した。
このように3つの根拠が揃った時は、今後の相場の方向性は下降トレンドだとかなり高い確度で予測することができます。
まず、チャネルラインを下抜けたときからしばらくは、ダラダラと進んで上下どちらか迷っていた状態(=レンジ)です。そのすぐ後に、一旦は上昇しそうになった相場は、レジスタンスラインとトレンドラインにたたかれたというプロセスを経ています。
ここでは、下落する根拠がいくつか組み合わさっているので、矢印の箇所で売りポジションを持つことが、勝率の高いトレードになります。
.ポジションを持つとき利益確定ポイントを定める
では、ポジションを持ってから、どこで利益確定できるか見てみましょう。下図をご覧下さい。
下降トレンドが正しければ、相場に達成感が出る値幅までトレンドが継続する可能性が強いです。
ここでの達成感が出る値幅は、黄色のチャネルラインを下抜けたときの、ローソク足の安値と、下降トレンドに入る根拠の一つとなったトレンドラインの起点を基準にして引いた青いチャネルラインです。なぜ、ここが基準になるかというと、チャネルラインを下抜けたときのトレンドの値幅の基準が、次の下降トレンドの値幅の最初の基準となるからです。
なお、この、青いチャネルラインは、トレンドラインとアウトラインではなく、サポートラインとレジスタンスラインです。トレンドラインと違って、レジスタンスラインとチャネルラインは直近の安値または高値の一点から水平に引くことができます。
トレンドラインは2点以上の安値同士、または高値同士を結ぶ必要がありますが、水平ラインは一点だけでも引くことができます。重要なことは、他の多くのトレーダーが引いていると考えられるラインを引くことです。
結果、相場は青いラインの値幅の2倍のポイントまで下落しました。2倍を達成したら利益確定しておくのが良いでしょう。
チャネルラインでの順張り
次に、チャネルラインを活用した順張りのトレードを見ていきます。順張りとは、トレンドの方向に沿ったトレードのことです。
このトレードは以下のようなプロセスです。
- チャネルラインを引き下降トレンドであることを認識する。
- チャネルラインとレジスタンスラインの2つの根拠で反落ポイントを見つける。
- 利益確定ポイントを見つける。
二つの根拠でポジションを持つ
エントリーするときは、一つの根拠では無く、2つ以上の根拠を見つけると、それだけで相当確度の高いトレードができるようになります。下図をご覧下さい。
まず、相場は、B→A→Cと価格が進みました。このとき、先にBCのアウトラインを引いてから、そのアウトラインを上にスライドさせた黄色のチャネルラインを引くことができます。このチャネルラインから、相場が下降トレンドであることがわかります。
このチャネルラインが本当に機能するかはまだわかりません。つまり、リアルタイムではDで反落するかどうかは、まだ分からないということですね。結果的には、反落していますが、トレードの渦中では、Dで売りポジションを持つことには自信を持てません。
そこで、他の根拠を探してみます。
Bの価格帯で水平のラインを一本引きました。すぐ上でもお伝えしましたが、このような水平のラインは、一つの起点からでも引くことができます。見てみると、この水平ライン上の白丸のポイントで、相場は何度も反転しています。つまり、この水平ラインが、サポートライン・レジスタンスラインとして機能しているということです。
Dのポイントでは、この水平ラインとレジスタンスラインと下降チャネルラインが交差しています。相場が動くスイッチが入るのは、同じ根拠がいくつか交差したポイントです。今回は、水平ライン(レジスタンスライン)と下降チャネルラインの根拠が重なりました。そのため、自信を持ってDで売りポジションを持つことができます。
このように、チャネルライン単体だけで判断するのではなく、他の根拠と組み合わせることが重要です。
利益確定ポイントを定める
それでは、次に利益確定のポイントを考えてみます。下図を見て下さい。
まず、下降トレンドラインの出発点を起点として水平ラインを引きました。これと、先ほどの真ん中の水平ラインの値幅の二倍が達成感のあるポイントになります。案の定、ここで相場が反発していますね。
チャネルラインの順張りトレードでは、多くのトレーダーが、チャネルラインだけを根拠に反落・反発のポイントを見ようとします。
しかし、チャネルラインにタッチしたら、思っている方向へ進むとは限りません。そのため、チャネルラインだけでは、根拠として非常に弱いのです。
トレンドが強い時のトレード
次に、トレンドが強い時の事例を紹介します。
チャネルラインは、ローソク足の高値と安値をはさんだ形が基本ですが、トレンドが強い場合は、ローソク足がチャネルラインからはみ出ることがあります。
下図をご覧下さい。
黄色のチャネルラインを引きました。このチャネルラインは、比較的、細く急なので、トレンドの力が強いと判断できます。このようにトレンドの力が強い時は、Bの箇所で確認できるように一時的にチャネルライン上抜けることがあります。
チャネルラインを抜けた時は4つの可能性がある
このように、チャネルラインを抜けたときは、その理由を考えることが重要です。主に、次の4つの可能性を考えるようにしてください。
- チャネルラインをブレイク
- 一時的なダマシでその後ブレイク
- ダマシからトレンド転換
- 強いトレンドで一時的な推進(今回のパターン)
- このうちのどれに当てはまるのかを、それまでのプロセスを分析することや、他のラインと交差するポイントを探すことで、判断することが必要です。判断する根拠がない場合は、それが見つかるまで様子見をしましょう。
ラインと組み合わせて判断する
ローソク足がチャネルラインを上抜けたとき、根拠が何もなくトレードを行うことはできません。今回は、その後ローソク足は下がり、(矢印のポイントのように)上昇トレンドライン(下側のチャネルライン)と接触するところで反発しました。
これにより、水平に引いたラインとチャネルラインの2本が支持線として機能していることがわかりました。なお水平のラインは、白丸のポイントまでに、レジスタンスライン→サポートラインと、複数回、役割転換をしていることから機能していると判断しました。
また、チャネルを上抜けた価格帯であるBの値幅と、それまでのAの値幅も同じですね。仮に、矢印のポイントから上昇のスイッチが入るとすれば、その後、またアウトラインにタッチするまで相場が上昇する可能性も高くなります。
このように、総合的に判断して矢印の箇所で買い注文を入れることができます。
下図をご覧下さい。
チャネルラインの波は継続していますので、ABと同じ値幅を取ったり、アウトラインのタッチで利益確定をすることができます。
このように、トレード戦略を立てるときは、チャネルライン一本だけでなく、他の根拠と組み合わせて判断すると良いでしょう。根拠が強いエントリーポイントを探すことで、それは、イグジットポイントも見つけやすくなることにもなります。
まとめ
チャネルラインが引けるようになると、ローソク足の高値と安値を気にするようになり、結果として深いチャート分析ができるようになります。1本のトレンドラインしか引いたことがない方は、この機会に、2本のラインであるチャネルラインを引き始めてください。
1分足から日足まで、時間軸を限定せず、チャネルラインは機能します。どんな手法でも活用できるので、ぜひ取り入れてみてください。
そして、値幅を意識できるようになると、期待値の高いトレードルールが構築できるでしょう