FXのMA(移動平均線)とは?種類(SMAやEMA)や期間について

チャートを分析する際、表示させるツールで最も有名な1つであるMA(Moving Average)。

移動平均線とも言いますが、世界中のトレーダーが最も使用する頻度が高いテクニカルとも言えます。

世界中のトレーダーが最も使用しているということは、MAを意識しているトレーダーが多いということになります。

 

まずはMAがどんなものなのか下のチャートを見てみましょう

※MAは赤い曲線

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ローソク足の上に行ったり下に行ったりしていますね。

 では、MAとはどんなテクニカルなのでしょう?

色々と覚えることはあるのですが、ここでは簡単な基礎知識の説明をしていきます。

 MAはある一定期間の終値を足した値からそのある一定期間で割った平均値というものです。

例 MA(日足の場合)=(X日間の終値の合計)÷ X

 ここで一定期間と言っても様々な期間がありますよね?

 重要な事はトレーダーにどれだけ使用されているかなのです。

MA(移動平均線)の種類について

日足などの長期足であれば200

1時間足などの中期足であれば75

5分などの短期足であれば21

などが最も使われていると言われています。

 どの数値設定が正解なのか?または優れているのか?

といったパラメーター(インジケーターに設定する計算に使う期間)にこだわりを持っても残念ながらそこに答えはありません。

 なので、これから説明していく内容からご自身に合った数値を選んで頂ければと思います。

※先程の上のチャートのMAは21で、直近の21本分の終値の合計を21で割った値ということになります。

 ちなみに期間(パラメーター)の数字が大きくなればなるほどMAの位置がローソク足の値動きから遅れる(離れる)ことになります。

MAの種類としていくつかあるのですが、メジャーなものとして

・SMA(単純移動平均線)

・EMA(指数平滑移動平均線)

をここでは取り上げて説明します。

簡単に説明すると、

・SMA(Simple Moving Average)

は指定した期間の値が同一条件で反映したもの

・EMA(Exponential Moving Average)

は過去の値動きを考慮し、直近の値の値動きをより多く反映したもの

実際に下のチャートで見てみましょう。(赤がSMA21で、青がEMA21)

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EMAの方がSMAよりもローソク足に沿って推移していますね。

 つまりEMAの方が早く値動きに反応して動くという特徴があります。

 どちらが良いと言うことではありませんが、

値動きに敏感に反応するMAにしたいのであれば”期間が短いEMA”が良いですし、

値動きにゆったりと反応するMAにしたいのであれば”期間が長いSMA”が良いです。

 ただ、先程も言いましたがMAの種類やパラメーターにこだわってもトレードは勝てませんので色々と複合的に考えなければなりません。

MA(移動平均線)の特徴とは?

MAの傾き

MAを表示するうえで知っておいた方が良い特徴として

・MAよりもレートが上にあればおおむね上昇トレンド

・MAよりもレートが下にあればおおむね下降トレンド

・MAをレートが上下に抜けていればレンジ

という状況を簡単に判断することができます

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下降トレンドであればMAは下向きで売りが優勢ですし、上昇トレンドであればMAは上向きで買いが優勢です。

レンジはMAが横向きで、どちらとも言い難い状況です。

このようにMAよりレートが下なのか上なのかを見るだけで

簡単にどちらが優勢かを知ることができます。

サポートやレジスタンスとしての機能

また、その他の特徴としてMAそのものがサポートやレジスタンスになる傾向があります。

 下のチャートはMAがきれいにレジスタンスになっているチャートになります。

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こういった特徴からMAを押し目買いや戻り売りの目安として判断の1つにすることができます

その他にMAが抵抗になる特徴として、MAの傾きの角度があるほどレートの跳ね返りが起こりやすく、MAの角度が無いほどMAを抜けやすいという特徴があります。

MAの戻ろうとする働き

MAとレートが乖離するとレートがMAとの乖離を埋めにMAまで戻ろうとする特徴があります。

下のチャート内の水色の部分がMAから乖離しているところ

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ここで注意することとして、ある程度MAから乖離したらMAに戻る特徴がありますが、逆張りの目安に使うというのは止めておきましょう。

いつMAに戻り始めるかというのは誰にもわかりませんし、MAまで戻らずにトレンドに戻っていくことも多々あります。

トレンドはMAから始まる

トレンドが発生する際、どこからか上昇または下落がスタートするわけですが、上昇や下落のスタート(起点)が、ある時間足のMAから始まるという特徴があります。

そしてその時間足のMAが、サポートやレジスタンスとして機能しやすい傾向にあります。

実際にチャート(赤い矢印が下落の起点)で見てみましょう。

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このようにある時間足のMAが下落や上昇の起点になり、その後もその時間足のMAが意識されやすいということになります。

もちろんそうなりやすいということであって、上昇や下落の起点がその時間のMAでもMAが意識されずに浅い押しや戻り、深い押しや戻りでトレンドが継続する場合もあります。

ゴールデンクロスデッドクロスについて

期間の短いMA(パラメーターの小さいMA)と期間の長いMA(パラメーターの大きいMA)を表示させることで、トレンド転換を図ることができます。

 短期の短いMAが期間の長いMAを上抜くことをゴールデンクロスと言い、買いのタイミングのサインと言われています。

逆に期間の短いMAが期間の長いMAを下抜くことをデッドクロスと言い、売りのタイミングのサインと言われています。

 赤がSMA21で青がSMA50

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しかし、これだけに頼ってトレードをすることは危険です。

勝てる時はありますが、相場環境次第によっては負けこむこともありますので、ゴールデンクロスデッドクロスだけで売買をするのは止めましょう。

 

パラメーターにこだわることについて

どのパラメーターが良いのか?といったようにMAのパラメーターにこだわり、どのパラメーターが最適なのかと完璧な答えを求める人がいますが、基本的にこれが良いというパラメーターは存在しません。

そのため、パラメーターを少し変えた程度では勝率にはあまり関係してきません。

 言えることとしては、切りのいい数字で相場参加者が意識しやすいパラメーターのMAを使用する方がより注目が集まると言えます。

 MAのパラメーターを変えたことで勝率が明らかに変わる場合は、原因がパラメーターではなく何か他の原因があると考えた方がいいですね。あくまでもMAはトレードの補助となるテクニカル指標なので、MAのパラメーターに過度な期待を持たずトレードの本質を見つめ直すようにしましょう。

 MAを有効に使うには?

では、MAを使用するにあたってどのように使用することが望ましいのか?ということになると思いますが、MAの有効的な使い方としてはトレンドの判断や押しや戻りの目安として使うことです。

 トレンドの判断はMAより上にあるのか?下にあるのか?でトレンドを視覚的に判断できますし、押しや戻りの判断としてはどこで価格が止まるのか?といった判断に使用するということです。

この価格が止まる判断としては、上昇や下落の起点がどの時間足のMAから始まっているのかを見つけることで、より優位性を上げることが可能になります。

 最後に、MAはレートが動いてから表示されるものになりますので、あくまでも大切なのは1番にMAを重要視するのではなく、レートの動きを一番に意識してMAは補助的に考えるようしましょう。